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3、 秋田における二層水の寸描
平成八年七月の海流観測に併せての二管本部水路部による港内STD観測の密度まで算出の結果と気象月表の日降水量を対照すると見事に相応の二層水界面と降水量との相関がみられます。
STD結果から界面は、七月十九日水面下約一・五メートル=図7 二十二日同一メートル=図8 二十四日同二メートル=図9 一方、日降水量は十五日三ミリ十七日九ミリ十八日一ミリ二十三日三十九ミリとなっており、この対照の纏めから、
◎七月十九日は、二日前と前日の雨の影響を受け界面が一・五メートルと少し下がり
◎二十二日は、雨の後の四日間の降水ゼロにより界面が一メートルに上昇し
◎二十四日は、前日の大雨の影響で界面が三回中最も下がり二メートルとなったことが推定できます。
誠に幸運というか、三回のSTD観測は期せずして重要なポイントを押さえていたのです。(こんなことは実に稀れです)
水面下約二メートルに界面があった七月二十四日は、本船に幽水が起きて当然でしたが、本船の幽水対応の操船のため起きなかったのです。
4、 油断大敵
平成八年十月四日、前日の豪雨で幽水の懸念は十分あったのですが、特任の港内停留時に幽水が起きました。
折から、一二メートルの圧風で陸岸に寄せられての幽水、急な中型船の出船もあり、船橋関連絡もできず千秋の思いで待後のうえ「幽水優速」で逃れましたが「ヒヤリ・ハット」でした。
5、 幽水後の出入港の幽水対応
幽水は、それを認識のうえ、安全な対応を揺ればそれほど恐れるものではありません。
秋田における幽水は、起こる環境(推進器付近の二層水面の存在)はその後もあるでしょうが、本船は図5,6のように
◎幽水優速を生かせる入船着け
◎出港時はもやい索と錨鎖の張力の活用
により、幽水を起こさず出入港を続けています。
冬期の強風の影響が幽水を上回る場合は、出船着けも考えます。
これからも、過信や油断することなく、初心で安全を確保していきたいと思います。
三、 考察等
1、 幽水要棄
幽水の主な構成要素は、
○降水量 港(湾)への有効流入量
○流域面積 港(湾)への有効流入量
○流入傾斜 港(湾)への有効流入量
○港(湾)内の面積・形状

 

 

 

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